八幡平の作り手 革の魅力を伝える デザイン性と使いやすさ
オーダーメイドの「レザークラフト」 4358 aging & anti-aging 工藤尚史さん


デザインやサイズなどで、理想的なものに出会えない。
愛着を持って長く使いたい。革のエイジングを楽しみたい。
「4358 aging & anti-aging」の工藤尚史さんは、
こだわりのアイテムを持ちたいユーザーに対応してくれる。
かゆいところにも手が届く
ユーザー本位の革製品を……
革製品の良さは、丈夫で長く使えること、エイジング(経年変化)を楽しめることにある。昔と異なり、デザインや機能性が多様化し、既製品の中から自分好みのものを選べるようになった。とはいえ、「もう少し幅がほしい」とか、「ポケットがもう1個あったら」とか思うこともある。特に、財布や小銭入れのように毎日使用するものは、納得したものを使いたい。
こういうときに利用したいのがオーダーメイドだ。
「妥協してひとつもの足りない既製品を選ぶより、自分にとっての理想が詰まったものを使ったほうが、大切にしようという気持ちや愛おしさも増すのではないでしょうか」というのは、「4358 aging & anti-aging」のオーナー兼クラフトマンの工藤尚史さん。
4358 aging & anti-agingは、オーダーメイド専門のレザークラフト工房だ。工藤さんがレザー製作に取り組むようになったのは、職場の上司へのプレゼントがきっかけだったという。
「学生のころから美術や技術が得意だったこともあり、何か手づくりの品を贈りたいと思ったのです」
何がよいのか考え、選んだのが革製の小銭入れだった。
「革は丈夫で長く使えるし、エイジングも楽しめるからでした」
これをきっかけに独学で技を磨き、2013年に工房をオープンした。負けず嫌いの性格だったこともあり、探究心も人一倍。どうすればデザイン性を高められるのか、どうすれば使いやすいものになるのか、気がつけば1日中考えていたという。

好き」という。工藤さんが左手にしているブレスレットは、最初は肌色の
ヌメ革だったが、1年たって、深い飴色に変化。

糸の張り具合が均等になるように確かめながら針を進める。
一緒につくり上げるのも
オーダーメイドのおもしろさ
工房には、インターネットや口コミで知ったという人が訪れる。財布や小銭入れ、手帳カバー、スマートフォンカバーのオーダーが多いが、珍しいものではキャンプ用コンロのカートリッジのカバーの製作を依頼されたこともある。
製作にあたっては、ユーザーの希望を聞き取りしてから、手描きでデザインスケッチをし、型紙をつくる。革をカットし、糸で手縫いをしていく。
革は、栃木レザーを使用。栃木レザーは日本のヌメ革タンナーにおいて名声を受けているブランドで、フルベジタブル(植物性)タンニンのみを使用した上質なレザーである。
「栃木レザーは、丈夫でハリやコシがあり、経年変化を楽しめるのです」と工藤さん。
価格に関していえば、高級レザーを使用するぶん高くなるが、オーダーメイドは、ユーザーとクラフトマンが予算内で工夫しながら一緒につくり上げる楽しみもある。
「一緒につくるといえば、ご自分でスマホケースに刻印を入れたいというお客さまもいらっしゃいました」
個人工房だからこそできた対応である。もちろん、アフターケアにも応じている。
自分だけのアイテムでおしゃれを楽しむことは、暮らしにうるおいをもたらしてくれる。そういうひと品を身近におくのもいいかもしれない。

グランピングが注目され、キャンプ用品と革製品を
コーディネートするアウトドア愛好家も増えてきている。


キャンプの醍醐味といえば、夕ごはん。15時ころからゆっくりと準備をはじめ、黄昏時にオイルランプに火を灯す。日本百名山を2座(岩手山・八幡平)を有する八幡平市には、自然を満喫できるキャンプ場もあり、春から秋にかけて多くのキャンパーが訪れる。自然の中でのキャンプは非日常をもたらし、翌日からの活力にもなる。
4358 aging & anti-aging
岩手県八幡平市平舘28-25-8
TEL 080-3334-4953
HP https://www.4358.info/
Instagram
https://www.instagram.com/4358agingantiagingleathercraft/